1)大分県農業の現状
1. 農村の高齢化の進行
平成17年の九州各県の基幹的農業従事者の高齢化を比較した結果、本県では高齢化(65歳以上)率63.0%と九州では最も高齢化が進んでおり全国でも17番目と深刻な状況にあります。なお、鹿児島県で60%越えた他は40~50%台前半であり、高齢化の進行状況に大きな差異が見られます。2.担い手の状況
平成16年の販売農家における主業農家を比較した結果、本県では主業農家数が少なく、主業農家割合も20.5%と九州で最も低く、専業的な農業経営が少ないのが実態です。
3.米への依存構造、経営の零細性
本県では販売農家のうち稲作単一経営農家の割合が51.8%と九州で最も高く、先の担い手の状況を勘案すると、本県では準主業農家や副業的農家等が米を中心とした農業経営に関わる割合が高く、小規模な農家が米生産に固執している状況が伺えます。また、平成16年の販売農家における1000万円以上の販売農家数についても本県では1,700戸と九州最下位であり、しかも、経営規模5ha以上販売農家数も600戸と離島の多い長崎県(300戸)についで少ない状況にあります。
九州各県の主業農家割合と稲作単一経営割合の関係 (平成16年)
以上から米を中心とした本県の土地利用型農業については、九州の中でも最も生産構造が脆弱であり、米政策改革が本年から本格的に展開するなか、大規模経営や集落営農の推進により基幹的な担い手育成による地域水田農業の構造改革が強く望まれています。
2)大分県の集落営農の現状
平成18年3月の農山漁村支援課の調査によれば、県下で米・麦・大豆・飼料作物等の集落営農(果樹の共同作業組合は除く)は388地区で実施されています。その受益集落数は709で県下の3,168集落の22.4%で集落営農が取り組まれていることになります。これら集落営農のうち322地区(85.6%)では、「誇りと活力あるむら1000プロジェクト」によるむらづくりビジョンが既に策定されており、これまでのむらづくり活動と集落営農の関連性が大きいことが示されています。
一方、207地区(53.3%)では中山間地域直接支払制度の集落協定を締結しており、本県では耕作条件の厳しい中山間地域において、多くの集落営農が展開していることが示されています。
また、水田規模が20haを超える地区は161地区(41.5%)であり、集落営農としては比較的規模が小さい状況にあります。
県下の集落営農を類型化すると、1.農業内の農地を一括管理し営農(協業経営方式、集落農場方式)は僅か6.4%であり、3.、4.の農業機械を共同所有する形態が66.3%と半数以上を占めています。
また、6.ブロックローテーションなど集落内の農地の利用調整は17.8%となっています。
さらに、集落営農に取り組む8割の地区では認定農業者が存在しており、担い手はかなり存在しているものの、5年以内に法人化の意向がある地区は 30.9%と多くなる傾向です。しかし、その大半は麦、大豆の作付け面積が多い北部、豊肥地区が主で、その他の地域では依然として法人化の意向は低く、集落営農の組織育成と併せて、その法人化が課題となっています。
http://www.pref.oita.jp/site/syuraku/gennjyou.html
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