1 監理団体の対応に関する規定
実習実施機関の倒産等又は監理団体若しくは実習実施機関が不正行為認定を受けたこと等により技能実習活動の継続が不可能となる場合があります。
その場合には、技能実習生を受け入れている監理団体は第一に、直ちに、地方入国管理局に対し、
ⅰ 技能実習活動の継続が不可能となる事由が生じた事実(及び)
ⅱ 対応策
を報告することが義務付けられています。【上陸基準省令1 号ロ第9 号、変更基準省令第2 条第9 号】
また、第二として、その監理団体は、新たな実習実施機関の確保に努めなければならないこととされています。【団体要件省令第1 条第5 号、同第2 条】
これらの規定は、技能実習生が、いずれも我が国において技能等を修得した上で帰国してその修得した技能等を活用することを予定しており、したがって、監理団体及び実習実施機関は、技能実習生が技能実習計画に基づき当初の目的を達成できるよう最大限の努力を払うことが求められて
いることによるものです。
2 報告するに当たり留意すべき事項
地方入国管理局に対する報告は、「直ちに」行う必要があります。「直ちに」とは、すぐにということであり、時期を失することなく報告するようにしなければなりません。
また、倒産・事業の中止が理由である場合は、その事実が実習実施機関から監理団体あて直ちに報告される必要があります。そのために、日頃から監理団体は実習実施機関に対し、監理団体あて報告が直ちになされるよう指導し、十分な理解を得ておくようにしてください。
次に、報告すべき事項としては、発生日、発生事由(継続不可能となった理由と事情)及び対応策が挙げられます。それらを記載した文書を監理団体と実習実施機関の連名で作成した上、地方入国管理局あて提出します。【JITCO書式10-57「実習継続不可能事由発生報告書」】(右頁《対
応例》②参照)
3 新たな実習実施機関の確保
技能実習の活動継続が困難となった場合で、
① 継続不可能が技能実習生本人の責めによらないこと。
② 技能実習生が引き続き技能実習を行うことを希望していること。
③ 適正な技能実習を実施する体制を有していると認められる他の機関に受け入れられること。
の3 つが満たされているときは、その技能実習生について引き続き在留が認められることとされています。
まず、技能実習生が「技能実習1 号ロ」をもって在留している場合には監理団体がその事実を地方入国管理局あて報告します。【JITCO 書式10-59「技能実習先変更願い(技
能実習1 号)」】(右頁《対応例》⑧参照)
一方、技能実習生が「技能実習2 号ロ」で在留している場合には、在留資格変更許可申請を行い、許可を受ける必要があります。また、それに加えて、技能実習生が「技能実習2 号ロ」で在留している場合にあっては、地方入国管理局等への手続終了後、JITCO 地方駐在事務所に対し
「実習継続不可能事由発生報告書」(写し)を提出願います。
(下図《対応例》⑧’及び⑨参照)
4 新たな実習実施機関を確保する上での留意点
新たな実習実施機関を確保する上では留意しなければならない点があります。
その技能実習生が現に「技能実習2 号ロ」をもって在留している場合、また、「技能実習1 号ロ」により在留中で「技能実習2 号ロ」への資格の変更を希望している場合は、同じ職種・作業での活動が維持できる実習実施機関を探す必要があります。
仮に新たな実習実施機関が確保できた場合には、従前の技能実習実施計画の下で行われてきた活動の実績を踏まえた上で、新たな実施計画が策定されることになります。
さらに、実習実施機関が変更となることに伴い、新たな実習実施機関と技能実習生との間で雇用契約書を締結する他、監理団体と送出し機関との間の協定書、また、監理団体と実習実施機関の間の受入れ事業に係る規約についても、その必要に応じて新たな取決めが必要となる場合があります。
5 新たな実習実施機関を確保する方法
実習実施機関の倒産・事業の中断等により技能実習活動の継続が困難となった場合にあっては、その監理団体及び実習実施機関は、当該監理団体の傘下企業だけでなく、他団体とも協議するなどし、受入れ先の確保に努めることになります。
なお、JITCO では、監理団体・実習実施機関による努力にもかかわらず新たな受入れ先の確保ができなかった場合等において、監理団体からの申し出を受けて、受入れ先確保の参考となる情報を提供するなどの協力を行っていますので、JITCO 地方駐在事務所又はJITCO 本部あて連絡
ください。
ちなみに、技能実習の活動継続が不可能となった技能実習生について、その新たな受入れ先候補機関の受入れ人数枠が既に満たされている場合には、法務省入国管理局において、技能実習が適正に実施できると認められると判断できる範囲内で、受入れ人数枠について柔軟な判断が行われていますので、人数枠の緩和を希望するときは、その新たな受入れ先候補の適格性を個別に地方入国管理局等に照会し、指導を受けることになります。
6 新たな受入れ先が確保できなかった場合の取扱い
監理団体及び実習実施機関の努力にもかかわらず新たな受入れ先の確保ができず、止むを得ず技能実習生の受入れを中断する場合には、労働関係法令に基づく解雇予告など所要の措置を講じる必要がありますので、監理団体及び実習実施機関にあっては、本人に対し誠意を持って十分
説明を行い、話し合うことにより理解と合意を得るよう特に留意する必要があります。
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